10月2日月曜
桜木杯の翌日、佐賀にお帰りになるまでの時間を惜しむように、桜木先生が東京桜武舘でご指導をつけてくださいました。
<1>剣道で大切なポイント3つ
①足を使う
②左手に力を入れて、右手は添える
③足で打つ
運動では足が大事。しっかり足を使いなさい。
基礎練習として、S字走行のすり足練習をしなさい。大人がランダムに立ち、そこをS字にすり足していく。左足が前にでないように、肩と両手の力を抜いて、焦らず、急がず、きっちりすり足をすること。
足を鍛える練習方法としては、相手に竹刀を頭の上で地面に平行に持ってもらい、それをジャンプして打ちなさい。体幹、バランス感覚、脚力を鍛える方法。
<2>武道のはじまり
武の字の弋は鉾の意味。戦いで突いてくる相手を意味する。(参考http://kanji.jitenon.jp/kanjih/3517.html)
武の字の止は止めること。
武道とは、攻めてくる相手を止めて、自分の身を守ること。
<3>間合いをはかる
間(ま)は魔(ま)に通ず、と言い、戦いにおいては、間合いをしっかりとらないと負けてしまう。1対1の戦いの場においては、面、小手、胴、突きの4つを自分で判断し、攻めと守りの連続の中、ピンチをチャンスに変えていく。
<4>間合いをはかるための練習方法
1対1で構えたら、互いに竹刀の剣先をちょんちょんとたたいて、相手の間合いをはかる。打つときには、片方が竹刀を横に構えてから打つ。この立ち合いの時には、足をこまめに動かしながら間合いをはかること。
相手が竹刀を横にして構えてくれたら、左手1本で打つ。右手は添える程度。竹刀の重さを利用して、大きく打つこと。
<5>殿様剣道か、足軽剣道か
桜武舘は、剣道におけるすべてのタイトルを取ってきた(インターハイ優勝、国体優勝、ぎょうくりゅうき優勝、学生チャンピオン、全日本チャンピオン、世界チャンピオン)。数々の輝かしい勝歴を持ち、70年以上の伝統を持ち、剣道会に大きく貢献してきた道場である。誇りをもつこと。社会人になれば、桜武舘のすばらしさを実感するだろう。軽々しい足軽剣道でなく、堂々と美しく打つ殿様剣道を目指して精進するように。
<6>刺し子の胴着
袖が短くて肌が見えてしまうような胴着はだめ。桜武舘のユニフォームは、白字に刺し子とする。胴着の襟はぴっちり首につくこと。女性の浴衣のように首元が見えてはいけない。胴着がたるんで、背中にたるみが出るのもだめ。袴をはいたら、下からひっぱってたるみを取ること。袴は前さがり、後ろ上がり。反対はだめ。着装の乱れは心の乱れ。たとえ弱くても着装だけはきちんとすること。社会人になってからも通じること。
<7>個人指導
一人ひとりの立ち合いを見て、桜木先生が個別アドバイスをしてくださいました。
Pさん:遠くから打とうとしている。十分近づいて打つ。肩の力を抜く。丹田に力入れる。
小学6年のSくん:打つときに左足が動いている。相手に動きが見えてしまうから打たれる。左足を止める。
中学生のSくん:良い。今のままでいくように。
中学生のHくん:打つときに首を曲げている。まっすぐにする。
小学生のAくん:動物が獲物を追うときのように素早く打つ。背筋を伸ばす。左手だけで打つつもりで。
小学生のMくん:肩と手の力を抜いて柔らかく。腰を入れて。やー、足のトン、打つ、の3拍子になっている。この3つが同時になるように。振りかぶってから慌てずに、遠くに打つように。左手だけで打つつもりで。努力して稽古していることがよくわかる。頑張れ。
小学生のRくん:よし!一発合格!
小学生のKくん(兄):良い剣だ。足のトン、竹刀のトンの音が1つになるように。大きく振りかぶってトン、を練習すること。先生の教えの通りにやりなさい。ほら、できた!
成人女性のIさん、Tさん:よし、できてる。
Kくんの妹(最年少):よし、いいぞ。左手だけで打つ練習をしなさい。
小学生のMちゃん:やー、で動いてしまっている。慌てないこと。振りかぶってから左手だけで打つ練習をしなさい。
Mちゃん母:手首をそらせないこと。剣道は左足が軸。振り返ったときも左足を軸にして右足が前にくるように。胸を張って姿勢よく、竹刀を投げるようにして、大きく、美しく打つこと。それが殿様剣道。ほら、良くなった!
<8>獣のように素早く打つこと
剣道は戦いである。野生の動物が獲物を狙うように、真剣に、速く。相手に食われないように。
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